大判例

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福岡高等裁判所 平成4年(う)191号 判決

原判決は,「罪となるべき事実」として,常習累犯窃盗罪を構成する要件事実である前科について,「被告人は,昭和56年8月31日,大阪地方裁判所において,常習累犯窃盗罪により懲役3年(昭和59年7月31日刑執行終了)に,昭和59年11月29日,岡山地方裁判所において,常習累犯窃盗罪等により懲役3年8月に,昭和63年11月24日,長崎地方裁判所において,常習累犯窃盗罪により懲役3年4月にそれぞれ処せられ,いずれもそのころ右各刑の執行を受けたものである…」と認定し,これに対する「証拠の標目」欄には,被告人の当公判廷における供述,被告人の検察官及び司法警察員(3通)に対する各供述調書,Vの司法巡査に対する供述調書,V作成の被害届,司法警察員ら作成の現行犯人逮捕手続書との記載があるところ,被告人の前記前科を認定しうる証拠は,被告人の公判廷における自白及び捜査段階における自白調書のみであって,これを補強するに足りる証拠が挙示されていない。

そうすると,原判決は,刑事訴訟法319条2項に違反し,特段の補強証拠を挙示,援用することなく,自白のみによって原判決記載の罪となるべき事実を認定した違法があり,右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反というべきであるから,この点において,破棄を免れない。

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